波多野義郎会長のウオーキング教室-1  ウオーキングで健康生活
→スポーツ健康学「ウオーキング」 →「あなたは歩く人?歩かない人?」コンテンツ →万歩計の仕組み/万歩計シリーズ
現代人の健康つくり 万歩歩く時の時間・距離は? →ウオーキング教室メニュー
全米スポーツ医学会「ウオーキングと健康」シンポジウム報告 ウオーキングと健康管理 地域における健康増進のためのウォーキング指導者養成について
日刊スポーツ 九州版 2003年1月4日掲載
●ウオーキングはこんなに人気
 総理府が2000年に行った世論調査よると「この一年間に行った運動・スポーツ」の第1位はウオーキングが(34%)で、2位以下の体操(15%)、ボウリング(13%)等を大差でリードしました。まさにぶっちぎりトップの実践率です。
 ウオーキングブームの中心にいるのは中高年者です。例えば各種のウオーキングイベントに参加する人たちの平均年齢は60歳前後で、男女比率が半々か、催しの種類によっては女性が多いと言う統計になります。そしてウオーキングを始めた目的は、健康、体力、ストレス解消、美容、親睦、などの順です。つまり根強いウオーキング人気の秘密は、「体にとって良いこと」だからなのです。
●運動不足はこんなに悪い
 筆者の調査の結果によると、国民の60%以上が「運動不足だ」そして過半数が食べ過ぎ(栄養過多)だ」と感じています。運動不足だとトレーニングの反対ですから体は弱って(老化して)しまうのです。しかも食べ過ぎて燃焼されない食物は脂肪に変化して、肥満や隠れ肥満(脂肪体質)の原因になるのです。摂取した炭水化物が運動によって燃焼されないことから、血糖値が高くなり、糖尿病を引き起こすこともあります。過食と運動不足が重なると肥満や体力低下を招きますが、余った脂肪は血管壁に堆積して血管を詰まらせる現象にもつながります。血管が詰まると高血圧になり、さらに心臓や脳の血管が詰まって血流が止まってしまえば、それが虚血性心疾患(心臓病)、脳血管疾患(脳卒中)なのです。日本人の大多数がこの便利な文明社会にどっぷりと浸かり、老化と生活習慣病へまっしぐらと言う生活に甘んじていると言うことが出来ます。
 他に運動不足は筋肉を衰えさせ、骨もやせ細ってきます。また体力が低下して疲れやすくなり、生活がしんどく感じられ、不安・不満感が増すことでしょう。こうして老化が進んだ高齢者は一寸した転倒でも骨折を招いたり、「寝たきり」に入る訳で、まさに人生は終盤を迎えることになります。
●ウオーキングはこんなに良い
 そこでウオーキングは何の気兼ねもなく「気楽につき合える」運動として今や人気ナンバーワン。誰でもどこでも自由な時間に一人でも好きな仲間とでも、どんな服装でもともかく歩くだけなら全てが自由なのです。
 実際歩いてみると気分が良くなってストレスが解消する、身が軽くなって元気が湧いてくる、よく眠れる、便秘解消、食欲増進などなど、いわゆる「短期効果(1日や数日の実施による効果)」が明確なのでそれに釣られて繰り返すうちに体質が改善されて「長期効果」が出てくるのです。いわく体脂肪が減る、体重減少、息切れしなくなる、体力がつく、風邪を引かなくなるなどです。また精神的傾向にも変化が現れ、行動半径が増える、友人が増える、性格が明るくなる、生き甲斐が出来るなども目につきます。そして表面的な効果の陰で、体内では生理学的な改善が確実に見られ、肥満度減少、血圧の正常化、最大酸素摂取量増加など、どれをとっても「健康の指標」になるような数値上の変化が進むのです(表1)。

表1 ウオーキングの短期効果、長期効果
短期効果 長期効果 生理学的効果
気持ちが良い
身がが軽くなる
ストレス解消
よく眠れる
便秘解消
食欲増進
肩こりが取れる
腰痛が改善される
心身爽快
働く意欲が湧く
身が軽くなる
血圧が下がる
体重コントロール
くよくよしなくなる
息切れしなくなる
体力向上
風邪を引かなくなる
性格が明るくなる
生甲斐ができる
規則正しい生活
友人が増える
行動半径が広がる
肥満度低下
血中脂肪低下
体脂肪減少
血圧正常化
血流能率上昇
最大酸素摂取量増加
心筋効率向上
ホルモン分泌増加
動脈硬化改善
毛細血管発達
心博出量増加

●1日1万歩が目標
 それでは実際にどれだけ歩けば良いのでしょうか。運動量と健康との関係について調べてみると、1週間に2000キロカロリー(または300キロカロリー=1日1万歩)の運動量が健康維持に良いとされています。これを達成すると高血圧・肥満が改善され、ストレスも解消し、約8年分の延命効果があると言うことです。さて1日1万歩という目標が決まった訳ですが、1万歩を歩く時間としては1時間20分から40分位、距離では(歩幅にもよりますが)7〜8Kmになります。
 1日の生活の中で、継続的に歩き回る部分があります。平均的な人について計測してみると、3000歩程度になります。そして勤労者が通勤時に(電車・バスを利用して)駅まで歩く場合には往復で5000歩前後歩きます。このような実体に艦みて、目標値の1万歩を達成するための「意識的ウオーキング」としては3000歩から7000歩程度になります。
●ウオーキングで生活の質を高める
 実際に1日1万歩を達成している人は、1日の生活の中でウオーキングする時間を計画的に設けています。通勤時に歩く人は多いのですが、それだけではまだ足りないので、昼休み、早朝や夕方、夕食後等にあらかじめ決めたコースを歩いたり、買い物等の用足しに乗り物を使わないように努力している例が多いと思います。